「米(発芽玄米)に秘められた無限の可能性」
家庭画報International Edition より
「米に秘められた無限の可能性!」
photography by Kazuhiko Suzuki
text by Sohbi Iida
小麦粉は、パンやお菓子の材料として使われ、今や私たちの毎日の料理に欠かせない。その小麦粉を代用する食材として、2007年から発芽玄米粉が国内の料理人やパティシエたちの熱い注目を集めている。
発芽玄米とは、米が発芽し栄養素が最も高まった瞬間に加工されたもので、白米と比較すると、GABAという脳内の血流を活発にする成分が20倍もある。小麦粉と比較すると、マグネシウムが約9倍、リンが3倍、カリウムが2倍と、栄養素が高い。その上、低アレルギー、低カロリーと、肥満や栄養不足に悩む現代の私たちにとって理想的な食材と言える。
「ただ、今までは発芽玄米粉は、料理に使っても口にざらざら感が残ったり、癖のある味になったりして、小麦粉の代用品にはなりませんでした。そこで、発芽玄米を更に細かい粒子にすることを考えました」と語るのは、東京日本橋にある料亭、「日本橋ゆかり」の三代目料理人、野永喜三夫(のなが・きみお)さん。野永さんの提案を受け、秋田県産の「あきたこまち」の米を加工、販売しているティエラ・マドレ社(Tierra Madre Corporation)が、それまで80ミクロンで使用されていた発芽玄米粉の粒度を10ミクロンの超微粉末にまで砕くことに成功させた。
これにさっそく着目した京都に拠点を置く名料亭「菊乃井」は、2007年10月に、発芽玄米粉で作ったカステラを発売した。小麦粉で作ったカステラより、ややもっちりしており、しっとりとした食感だ。現在、いくつかの企業が発芽玄米粉を小麦粉の代用品としたパンやシフォンケーキ、シュークリームを商品化に向けて、試作しているところだ。とにかく小麦粉の代用品として何でも作れるのだと野永さんは話す。「ライス・アイスクリームやカスタードクリームも作れます。僕は近所のビール工場で、発芽玄米のビールも作ってもらいました」
米を微粉末化することにより、米の応用幅がぐっと広がった。古来より私たちが食してきた米粒は、現代の技術者や料理人の手によって、新しい形となって、日本だけでなく、世界中に広まっていきそうだ。
家庭画報International Edition
色々と開発中の発芽玄米「ギャバ」の可能性と新提案
小麦粉の変わりに「日本の安心、安全、おいしい発芽玄米・粉」を世界に発信!
発芽玄米で作れる商品の一例
世界初!発芽玄米75%使用
「ギャバビア」 泡の酒(発泡酒)商法登録品
商品開発協力「ヴィルゴビール」ブルーマイスター中井俊也さん
発芽玄米粉で作れる商品の一例、小麦粉の変わりに何でも出来ます!
お米は秋田県のあきたこまち使用
発芽玄米・粉のお問い合わせ「株式会社ティエラ・マドレ」
家庭画報International Edition (KIE) とは?
日本初「日本生まれの国際派カルチャー&ライフスタイルマガジン」です。
「どうして日本の文化を世界に向けて発信する雑誌がないの?」内外から聞こえるそんな声にお応えして、「家庭画報」が半世紀近くに亘って伝えてきた「日本の心」を、世界の人々に伝える新しい雑誌が誕生しました。
「家庭画報International Edition」は、新旧の日本文化の中から「言葉を超えて共感を得る力」をもったものを切り取り、その奥行きある魅力を、世界中の人々に「立体的に」「美しく」「分かりやすく」伝える英字のビジュアル誌です。
世界文化社より |